『人体惑星試論』(通称七星論)

七星論は三次元思考
七星論は、太陽系惑星(太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星)の七つの惑星を基本にして、宇宙の運行を含めて考えた理論です。
つまり、人体と太陽系惑星は対応していると考えているわけです。
ですから、立体的な動きも含めた理論になり、平面的な動きに回転性の動きも含まれるので、屈曲だけでなく回旋性の歪みも調整することができるのです。

人体と惑星が対応する仮説

惑星は、太陽、水星、金星、地球、火星、木星、土星と並んでいます。
それを人体に当て嵌めると、太陽(脳)、水星(腎臓・膀胱)、金星(肺臓・大腸)、地球(心包・三焦)、火星(心臓・小腸)、木星(肝臓・胆嚢)、土星(脾臓・胃)となります。
 
つまり、人体を流れるエネルギーも、太陽(脳)⇨水星(腎臓・膀胱)⇨金星(肺臓・大腸)⇨地球(心包・三焦)⇨火星(心臓・小腸)⇨木星(肝臓・胆嚢)⇨土星(脾臓・胃)と流れていると考えて組み立てたのが七星論です。
その七星論を応用したのが七星鍼法で、七星鍼法の中でも速効性のあるテクニックを集めたのが「七星速効療法」です。
特徴は、① 論理的である
    ② 応用範囲が広い
    ③ 再現性が高い
    ④ わかりやすい

 

相生と相剋の関係

鍼灸学には「相生・相剋」という言葉が出てきます。
「相生」とは、お互いが生かし合う関係で、「相剋」とはお互いが剋し合う関係と考えらていて、それを治療の原理にする場合もあります。
七星鍼法にも「相生相剋」の関係がありますが、一般的な五行論とはちょっと違いますが、何度も検証されて組み立てられていますので、実技〈臨床〉で使えばすぐにわかります。

たとえば、右図で説明すると、水(腎・膀胱)と火(心・小腸)の関係、金(肺・大腸)と木(肝・胆)の関係、地(心包・三焦)と土(脾・胃)の関係、太陽(督脈)と黄泉(任脈)の関係を「対応関係」と言い、相生関係と相剋関係の二つの関係があります。
それは、お互いが助け合いもするが、剋し合うこともあるということです。
 
たとえば、腎が悪くなると心にも異変が出てきます。そして、腎を整えると心も整ってくるという関係になるわけです。
ですから、その相生相剋を組み合わせた取穴で、治療をすると面白い速効療法ができます。
具体的な実例はDVDでも頻繁に出てきます。

用語解説

七星論では独自の単語や治療テクニックがあります。
どれも「速効療法」に使うオリジナルテクニックに関係があります。
以下にその説明をさせていただきます。


査穴(さけつ)
七星鍼法に速効性があるのは、この「査穴」が関係しています。
それは、「肝経の木」とか「心経の火」とかと、縦に流れる経絡と横に流れる経脈が交差する点に「査穴」があるからです。
この「査穴」や「顖前・百防」なんていうのは、すごい治療効果を出してくれますので、これだけでも重宝します。
 
対応経絡(たいおうけいらく)
七星鍼法では、全ての経絡が対応するように並べてあります。
たとえば、督脈:任脈。水星(腎・膀胱):火星(心・小腸)。金(肺・大腸):木星(肝・胆)。地球(心包・三焦):土星(脾・胃)という対応関係です。
この対応関係を使えるようになると、さらに治療技術が高くなり、「マジシャン」のようなテクニックが使えるようになり、鍼灸治療が楽しくなります。
 
人体各部の七星分割名称
七星論では人体各部を七星で分割してあり、分かり易いように、それぞれに「頭部七星」とか「腹部七星」と名称を付けてありますが、名称を見ればどこの七星かがわかるようになっています。
 
六臓診(ろくぞうしん)
診断には伝統的に「四診」というのがありますが、四診でもわからない症状があります。そんなとき、この「六臓診」を使うと、適確に病因を把握するkとができます。
また、患者さんにも「病因」となっている臓腑を確認してもらう事もできるので、患者さんとのコミュニケーションも取れます。
 
新正体法(しんせいたいほう)
手技療法になるのですが、患者さんを動かしながら、筋肉の「緊張と脱力」を利用して骨格を矯正する方法です。
これは、創始者の宮本紘吉先生は、名古屋~北海道まで、私は名古屋から九州沖縄までを担当して講習をしてきたテクニックです。
 
骨格矯正鍼(こっかくきょうせいばり)
鍼灸学校1年生の時に「校内学術大会」というのがありました。
その時に論文発表をした内容になります。
今考えると、「1年生でよくこんな事が出来たもんだ」と思います。
しかし、このテクニックは、現在でも頻繁に使うテクニックで、
この原理と実技を知れば、多くの「骨格系や筋肉系の治療法」も理解できるようになります。
 
生物力学療法(せいぶつりきがくりょうほう)
これは中国の西安に出かけて学んで恵来たものですが、ちょうど同じ頃に私が考えていた「整体棒」の原理と一緒の方法でした。
このテクニックは、後に「整体棒」という健康器具を作るヒントになったものです。
手技療法で簡単な手法になりますので、その日から使えます。
 
巨鍼療法(こしんりょうほう)
巨鍼療法は、1989年に中国黒竜江省斉斉哈爾に出かけて勉強してきた治療法で、開発者の張雲飛先生から直に教えてもらいました。
私は、巨鍼療法があったからここまでくるころができたと思い、息子さんを日本に招待して歓迎したこともあります。
巨鍼療法は、使うほどに威力を発揮することができ、救われた方々はたくさんいます。
 
筋腱鍼(きんけんしん)
これは筋肉や腱がピーンと張った時に使うテクニックで、問題のある筋肉や腱にピッと刺鍼できれば、その場でパッと治すことができます。
しかし、それには術者の手での触診が非常に大切で、触診のできない人がやっても効果はありません。
 
七星一穴鍼法(しちせいいっけつしんぽう)
「これぞ七星鍼法」と言えるテクニックです。
理由は、一穴鍼法は伝統鍼灸にもあるのですが、それは「五行穴」を使ったり、基本的な経絡の流れを使ったりしているのが多いです。
しかし、七星一穴鍼法は、「主訴」「脈診」「脊椎診」等から割り出して一穴を選んでツボを決めるので、当たりはずれがありません。
 
七星頚椎矯正法(しちせいけいついきょうせいほう)
頚椎矯正は、カイロぷラクテックを始めとする手技療法で昔から使われているテクニックの脾位と津です。
私も、カイロやその他の手技療法で「頚椎矯正法」を学びましたが、高額なベッドを買うまではいきませんでした。
そして、最も考えたのが「危険がない方法」だったのです。
それが、この「七星頚椎矯正法」になります。
 
七星整体と脈診
「脈診は難しい」と言われる場合が多いのですが、そんなことはありません。「難しい」と教えられたから難しいのです。
七星整体と一緒に録画された動画を観るだけで、脈診ができるようになります。
 
せんかん鍼(せんかんしん)
「これぞ速効療法」と言えるテクニックです。
このテクニックは、おそらく現在一番多く使っている「速効療法テクニック」です。
特に、腰痛、股関節痛、膝痛、足関節痛、等に効果が高いので、これだけで治療を終わってもおかしくない患者さんがたくさんいます。
鍼灸師が、このテクニックを覚えると、楽しくて楽しくてしかたがないはずです。
しかも、1~2分の治療なので、患者さんもビックリします。
 
足関三穴(そっかんさんけつ)
この治療法は、足関節付近に3本鍼を刺して「脚長差」や「仙骨の歪み」を調整する鍼で、たとえば横座りができない場合、経絡治療と同時に、この足関三穴を使うと、抜鍼するときには「脚長差」も「仙骨の歪み」も、取れています。
 
回旋鍼(かいせんしん)
人体の大きな歪みは、「前後屈」「左右屈」「左右捻転」プラスの「上下伸縮」があります。
そして多くの治療法には、言葉ではなく現実としての「捻転の矯正」があまり考えられてないと思われます。
この回旋鍼を考え出してから、七星鍼法の治療法は大きく変わりました。
多分、他に類を見ないテクニックです。
 
足骨鍼(そっこつしん)
足関節の調整にも使えるのですが、この足骨鍼を使うと、なんと「手指関節の痛み」まで取れてしまうのです。
そして、「腰痛、背部痛、肩関節痛、肘痛、手関節痛、手指関節痛、首痛」と、ほとんどの筋骨系に効果があります。
 
頭足鍼(とうそくしん)
頭足鍼とは、頭に2本鍼、足に2~4本鍼をして、あらゆる関節の動きを改善する方法ですが、ビックリするほど体が軟らかくなります。
 
脊柱鍼(せきちゅうしん)
鍼灸での「背部兪穴」は、経絡に合わせた取穴配置ですが、この脊柱診は「臓腑を調整する鍼」として開発しました。
特に、腎臓の調整には効果があるように考えたもので、当院では何年もこの脊柱診で背部兪穴を調整しています。
 
活性鍼(かっせいしん)
これは全身を活性化させるために開発したのですが、「脳」も活性化されるようで、認知症の方にこの鍼を使ったら、今まで笑わなかった方が笑うようになったという報告も受けています。
 
脳寛鍼(のうかんしん)(別名・安眠鍼)
脳寛鍼は最初「安眠鍼」という名称だったのですが、「安眠」に関するテクニックが他にもたくさんあるようでしたので、それらと区別するために「脳寛鍼」に名称を変更しました。
 
頭蓋JAA(とうがいじぇいえーえー)
「クラニオ・セイクラル」(頭蓋仙骨療法)というテクニックがあり、頭蓋骨の研究をして、あるヒントがったので、「これは鍼灸でやったほうがいい」と考え、「スカルセラピー」というテクニックを考えました。
その時は手技が主だったのですが、徐々に鍼に移行していって、「頭蓋JAA」としたものです。
 
虹彩学(こうさいがく)
先駆者であるアメリカの「バーナード・ジェンセン医博」の本を参考に虹彩分析の研究を始めたのですが、2年余りで「これでは信用を失う」と思うことがあり、独自の「虹彩分析マップ」を作製しました。
その分析マップを作製してから、いろいろ感動することもあり、海外からも分析依頼があるようになりました。
しかし、私の許可なく分析マップを使う会社があったり、中国では私のマップを使って自社宣伝しているところもありました。
「体の研究用」としては非常に役立つ情報が眼から読み取ることもできますが、「虹彩撮影カメラ」が高額なので、後継者が出て来ませんでしたので、継続を断念しました。
 
スクレオロジー
スクレオロジーとは「白眼分析」のことです。
虹彩学を何年も研究して、白目分析まで手を伸ばしたのですが、白目を撮影するには、助手が必要です。
そのため、「一人治療院」でをれをすることは難しいので、肉眼で分析するように考えたのですが、「写真」と「肉眼」では信用度が違います。
スクレオロジーは、現在も何人かが使っていると思いますが、あまり活発には活用してないようです。